Archive | 2013年06月

キャシー先生の教え 弦も張り、腕も張り。

06/07
ご無沙汰しております。
分類がまたできない記事です。ピアノ・音楽、演奏、心と体、アートに関するからです。

5月は、私が学ぶ学校Body Chanceに、世界的アレクサンダーテクニーク教師、キャシー・マデン先生が来日しておられました。

2回ほど自分のクラスで教わり、あと1回はベーシッククラスの通訳でご一緒しました。1週間強のことでしたが、濃密でした。

私の目下の悩みはオクターブの連打で右前腕が痛くなってくることでした。ソロなら曲を選んで、負担が偏らないように配慮もできますが、伴奏ですと、特色あるフレーズが何度も出てくることがあり、また2時間近くその曲だけリハーサルしたりします。繰り返し出てくるパターンが、体の使い方によっては毒となるのです。

キャシーにそれを説明し、弾くところを見てもらいました。そうしたら、

こっちにも(私の腕の筋肉にも)張りがないと、クラゲみたいでは、痛くなるわね。と先生。

ピアノ弾きとして”脱力”信仰というか、綺麗な音には力を使いすぎないこと、という思い込みがあった私には目から鱗でした。考えてみれば、ピアノの弦なんて張力の権化ですよね。強い力で弦を張るために、楽器があんなに重くなっているんですから。

向こうが金属のピアノ線を強ーく張っていて、こっちがクラゲだったら、そりゃ負けて痛めてしまいます。

本当にその通りのことでしかないのですが、楽器を弾かずしてそれを見てとれる先生はさすがです。

アノシャーで(自分の協調作用をお願いする合言葉。今年の造語で特になんでもいい♪)、頭が繊細に動いて私全部がついてきて、腕に必要な張りを持たせてピアノが弾ける。

そう考えて連打を弾いてみると、あらら!!芯のある、アルデンテのような音が出ました。実際、ピアノの張りと自分の張りがうまく反発して、弾む感じが楽しめました。即座に音が変わったので、先生も思わずオーマイゴッドのような反応です。

なあんだ、力を入れなさすぎてたんだ。必要な張りは持たせること。それがピアノの弦をしっかり鳴らすのに必要だったんですね。

そして2回目、翌週もやはりピアノをみてもらいました。前回のことで、しっかりと音がでたし、敏しょう性にもいいみたいです、とその後の実験の経過を説明しました。強さと速さを両立したいのが私の望みです。

幻想即興曲の冒頭を弾いてみました。それを見たキャシーのアドバイスは、解剖学の本を広げて、”大胸筋”のページを譜面台に載せ、これを弾いて!というものでした。

ペックメイジャー(pectoralis major)これは、この2つのレッスンの間に私が通訳したクラスで、チェリストの生徒さんが使うように言われていたのと同じ筋肉です。ブルータス、私もか・・・。

大胸筋も使える、と思って、大胸筋という曲を、いえ、ショパンを弾いてみました。

先生も”うむ!”という反応をして聴いてくれました。とくに有名なフレーズ(オクターブのなかに16分音符が入る)も、しっかり鳴りました。それでいて、そんなに気張っている感じがしません。これはうまくいっている兆候です。

それから、私が、手と前腕の角度を限界を超えて保とうとしていることを指摘されました。体が大きい人なら、高音域もそのままの角度(180度に近いまま)いけますが、私は尺屈(小指側を外へ向け、角度を180度以下にする)しないで高音域を弾くと、他の関節に制約がかかるということです。

まず、コースの下見をします。鍵盤上で、腕を、右手なら高音域での自然な尺屈を許しながら、左手なら低音域での尺屈を許し、弾かないでキーの表面で大きく動かします。

これで新しい指令を脳に送り、アノシャーで(以下略)協調作用をお願いしてまた弾いてみます。

ずっと細かい音が上下行するフレーズですが、音が密度濃くなりました。今度は敏しょう性を損なわずに”しっかり”した音が出ます。一個一個ジャストミートしている!

いままでは速さはありましたが、音一個一個が散漫でした。使うべき筋肉が働いていなかったため、打鍵が散漫だったのです。それが自分の音に感じていた違和感の正体でした。

これはうまく言い表せないのですが、聴いていた人はみんな、おお!と驚いてくれました。

力でなくのせて、とか、手首をぶらぶらに、とか、ピアノのレッスンで言われていたことは、もはや自分には必要でなくなっていたのに、いつまでもやろうとしていたのです。

今の私に必要なのは、必要な力を発揮することと、自然な関節の動きを許すこと。

カタチにとらわれず、デザインされた動きをすれば、体は最高の働きをしてくれます。アレクサンダーテクニークのレッスンでは、人体の真実に基づいた観察をしてもらえます。

また新しい開拓のタネが増えました。この夏はまた、これで練習していきたいと思います。

追伸 キャシーの通訳は脳が疲れました。去年より慣れているのに、先生は常にその上を行ってくれる。。。。いい経験でした。



プロフィール

かおり

Author:かおり
アレクサンダーテクニーク研修生によるピアノレッスン
グランドピアノと演奏に役立つ解剖学を使ってレッスンをしています。
HP kaorikitagawa.jimdo.com
もっと上達したい、いい音を出したい、楽に弾きたい、練習しても思うように弾けないというを方を、ピアノを弾く立場からナビゲート致します。

私自身、幾度も行き詰まりながら、再びピアノを弾けるまでに復活し、念願のオーケストラとの共演も果たしました。

アレクサンダーテクニーク教師養成コース研修生として、美しい音と心と体にやさしいピアノ演奏を探求中。
Body Thinkingコーチ。

クラシックをメインに、ソロコンサートなど演奏活動をしています。

TOEIC970・日英通訳。

ジュリア・キャメロンのモーニングページ、アーティスツウェイを唱道しています。

ツイッターアカウント@kaorilavender

英語
アレクサンダーテクニーク
一人の時間を大切に

最新記事
無料メルマガ登録
美しい音を探求するピアノボディスクール
メールアドレス
Powered by メール配信システム オレンジメール
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
リンク
RSSリンクの表示
検索フォーム