アートを鑑賞するということ

11/25
演奏を聴く、パフォーマンスを見る、そういう時の反応について、考える機会があった。

先日、ATのレッスンでクラスメイトが、自分が演奏をしてみんなに踊って欲しい、というアクティビティをした。前にもレッスンで演奏してくれて、音楽している時の彼女はとっても素敵で、気持ちよく音が出ていた。最高です!と本人の感想。

今回、そこからさらに発展したかったのかもしれないけど、まず1回目のトライで、途中で音が荒くなってしまった。誰も踊らなくて(寝そべっていてもいい教室内で、リラックスしている面々だから、ある意味当然なのだが)、音が荒れたその時、踊れ!って心の中で言ってしまったそうだ。

次に、先生が、体が動いた人もいたよ、でも、踊るかどうかは向こうの勝手だから、と思ってやってごらん。そっかあ、みたいな感じで、また演奏した。

とても音が良くなった。私は踊りはしなかったけど、知っているメロディーを心の中で歌い、心が躍った。

反応をこちらがコントロールすることはできないんだよ、というのはごく当然の先生の弁。ほかのフィードバックでは、
踊れ!のコメントを聞いて、股関節ストレッチしていた人が、瞬間伸ばしやすくなった、とのこと。(彼女はバレエの先生。なおバレエスタジオでピアノを弾けばみんな踊ってくれると私は思った)

私も発言した、私は曲と一緒に心で踊っていた。なので、お客様が動いていないように見えても、心は何かを感じているはず、と言った。(正確には覚えてないんだけど、そんな意見。)

それでそのレッスンは終わったんだけれど、自分が感じたことが、私にとってはここ数か月で一番の衝撃だった。

演奏を聴いて、拍手をする、ということになっているけれども、それはある程度そういう形で聴いたことへの反応を示しているに過ぎない。

機械的に拍手だけたくさんしてもらっても、それは本当に音楽を堪能してもらっている証拠とは限らない。本当に心から何かを感じてくれているかもしれない。ああ、いい曲だなあとか、うまいなあ、とかこの演奏者頑張っているなあ、言葉にすると平凡だけれど、言葉にならない、100人100様のリアクションが行われているはずだ。演奏者の様子を目でも見てくれている。

だから、演奏者が期待している反応がすぐ見えるとは限らない。演奏している様子を見ていてその感想を拍手で表すのは当然簡単ではない。

俳優のクラスメイトとも話したけど、感動が深ければ、拍手するまで結構間があくものなのだ。むしろ、間髪をいれず拍手されると、拍手早いよ、本当に見てくれていたの?と思うほどだそうだ。

演奏を聴いて踊るのは飛躍があるのでかなり難しいけれど、それだけに、自分の反応に今までになく注意を向けた私は、鑑賞している人の反応は、目に見えるものだけじゃない、ということに気づいた。そして時間差がかなりあるということも。

音楽をやっていると、あれがよかった、とか、自分だったらああは弾けないとか、具体的にうまいことちょっとコメントできるようになるものなのだ。でも、そういう経験のない人は、何かを感じていてもうまく言い表してはくれない。だから、そのことを不満に思うのはおかど違いなのだ。

物語があったり、歌詞があれば、悲しみとか喜びが具体的に表現されるから、聴衆の反応も得やすい面があると思うけれど、器楽の場合は、何を歌っているかは聞く人のイマジネーションに委ねられる。だから、どうだった?と聞かれてもうまく言えないことは多いのだ。ビジュアルの印象を言われることも多い。でもそれでいいのだ。演奏中はなにかを聞いて感じてくれている。それはすぐには言葉にできないもの。差し当たって拍手という形でもらう。終演後、お茶をして、駅に向かう頃、しみじみ、良かったねえ、と言葉が出てくるくらいだ。

遠足はおうちに帰るまでが遠足です、と小学生の頃言われたけれど、コンサートもそうだと思う。演奏の余韻消えやらぬうちにどうだった?と聞かれても、ただいま消化中、のはずだから。

劇を見て、帰ってから、出演者さんにこういう声を掛ければよかった、と思うことがあるけれど、やっぱり直後は言葉が出てこない。うまく言えそうにないから、まず帰宅する。だから、すっごい反応が無いように見えても、ご安心召され。”言葉にできない”っていう反応も存在する。

パフォーマンスすることは未知なることへの恐れを孕んでいる。聴衆の反応は未知数で天文学的なのだ。だから心配してもしょうがないのだ!
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プロフィール

かおり

Author:かおり
アレクサンダーテクニーク研修生によるピアノレッスン
グランドピアノと演奏に役立つ解剖学を使ってレッスンをしています。
HP kaorikitagawa.jimdo.com
もっと上達したい、いい音を出したい、楽に弾きたい、練習しても思うように弾けないというを方を、ピアノを弾く立場からナビゲート致します。

私自身、幾度も行き詰まりながら、再びピアノを弾けるまでに復活し、念願のオーケストラとの共演も果たしました。

アレクサンダーテクニーク教師養成コース研修生として、美しい音と心と体にやさしいピアノ演奏を探求中。
Body Thinkingコーチ。

クラシックをメインに、ソロコンサートなど演奏活動をしています。

TOEIC970・日英通訳。

ジュリア・キャメロンのモーニングページ、アーティスツウェイを唱道しています。

ツイッターアカウント@kaorilavender

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