アレクサンダーテクニーク研修生によるピアノレッスン

ピアニスティックノート

コンサートを終えて考えた事の覚書です。 

当日のレポートはアメブロをご参照ください。→
ameblo


結論からいって、音楽と一緒に居られた、良い本番となりました。ありがとうございました!!長くなりますが、当日終わってから今日まで考えたことを整理してみます。

出したい音、弾きたい音楽を思う → 体の動きへの指示となる。

逆に
指を動かそう        → 本来の指示に反するノイズとなる。
強すぎないようにおさえよう → 体が固まるので、協調した動きの阻害要因となる。

→ 指を動かそう の代わりに、頭が動ける と思う。頭が動くことを許す。

心をこめて弾く、とか、集中する、という言葉があるけれど、それは実は”音楽”を考えて指示を出せていて上手くいっている状態と思う。

その音楽を考えて、体への指示になっている時がいい演奏が流れている時は、
指が、来てほしいところに、気づく前に自然と来ている!

それが必要な仕事と力が完全にマッチしているため、これ以外にありえないと確信できる。

極上のタッチ・音は、それが行われた結果。それを直接目指すものではない。



ある決定的分岐点が、本番の朝、自宅でベートーヴェンの一楽章を弾いた時にあった。

どんどんこう弾きたい!という気持ちがあふれてきて、体が動いていった。本番はどうする?

ミスが少なくて済むように、無難に守りに入るか?
          or
 思うまま、思いっきりやりたいことをやるか?

そして練習で思いっきりやることを決意した。それでいいと思った途端、心が解放された。毒にも薬にもならない演奏がやりたいのか?NO! これこそがやりたい演奏なんだ!という気持ちがこみ上げてきた。

音楽のもつ生命力・躍動感。これだね。それを表すには守りに入ってはできない。アレグロ・コン・ブリオってそういうことだよね。

本番で、コン・ブリオのまま弾いた。そしてそれで起こっている事にYESを出し続けた。すると音楽のもつ、作品がもつ内在的なエネルギーがさらに自分を駆り立てていった。(朝の思い切りよりさらに上を行ってるって!)理由は、一番最後の結論にあります。

抑えず思うままに行く → どんな曲でも、それをやっても音楽と必要な動きが一致するようになりたい。

将来、理想的には、思うままに行ってしかもしっかりまとめられるという状態もあるかも。

音楽を考えて、それで上手くいくコンサートだった。お客様にもご好評いただきました!
音楽が止まることなく、常に思い描く事ができた → 演奏も止まらなかった。常に今弾いているものと共にあれた。


演奏上、上手くいったアイディアの具体例をひとつ。

ワルトシュタイン終楽章で右手が黒鍵の多いアルペジオ、左手が四分音符、二分音符のパッセージ。これが右手の臨時記号が多くて正に変幻自在。それでいて天上の音楽、正にcelestialな調べを思わせる。特にアルペジオからキラキラした音型に移ったところ。大好きなところだ。

右手を”外さないように”弾こう、とするのはあまりうまくいかないことが経験上わかっている。

→なので、”左手を重視プラン”。そのベースの上で右手が舞っている。常に左手のコードの変化を思いながら。そして左手の繰り返す、タンタンター、タンタンターのリズムが支えている、と考え続ける。

本番でそうしたら、思わずほくそ笑むほどものすごく流れの良い演奏になった。もちろん、”外さないように”プランより外さなかったのはいうまでもない!楽でしかも生き生きとした流れが生まれて、ともて綺麗に弾けた!

右手が面白い所→左手を重視してみる と、意外にいいバランスがとれると思う。(面白い所。難しいとはいわないで!)

実は右手だけで弾くほうが難しくなることが多い。左手も同時に使ってこそ、ピアノは上手く弾けるから面白い。これはシンプルな左手が動きをオフセットして、いわば協調して助けてくれたいい例だ。

実はこの、左手の音楽を考え、右手がそれにのる、というのは、ピアノと言う楽器に特有のアイディアといえる。フルートだったら、それこそこの右手のようなところを自分全部で演奏することになる。だから、左手の和音、という、いわば気を逸らしてくれたり、バランスをとってくれる存在がない。そこをどう補完するかなのかしら。



音源を聴いて気づいた事 

ラルゴ:コラールの6連符など、きっちり弾きすぎていた。もっとしなやかに揺らぐこともできた。
幻想曲:装飾音も、小さい♪までもっと味わってあげればよかった。クリアに発音するピアノだったから、それでもしっかり聞き取れたと思う。

→ もっと遊んでいい、ていうこと!音と音の間もスペースがある。音が発生していない間も、音楽はある!!



歌う 
ピアノでも歌うように、とレッスンでいわれるけれど、上記のようなこと全部が、歌うという言葉に込められている気がする。幅広過ぎでしょ!

1時間半近い本番だったけど、自分もとてもエンジョイできた。
最後のワルトシュタインのあとアンコールで幻想即興曲とバッハのアリアを弾いたけれど、質は落ちなかった。ていうかかえって高評価。アンコールなので練れているというのもあるが。

そして今回、歌って弾く意味がわかった。うれしい。これから演奏がもっと楽しめそう!



覚書 -- 

考えること

自分は何をやりたいか?

そのREASONは? この曲を弾く理由
       コンサートをする理由
       自分にとっての意義

自分らしい演奏とは?

今時分は何をしているか?

なんか、キャシーの Who am I? Where am I? What am I doing? の質問リストみたいになってる。。。。いいことじゃない?

練習  練習段階では、まず細かく表現、運指、等々、練って練りまくる。だから練習。

演奏 演奏の段になったら、そういう身に着いたプランは忘れていい!!

考えるのは 歌、曲、音楽、音、響き、メロディ。またはバス。常に音の事だけを考える!




とあるレッスンでのミオ・モラレス先生の言葉を思い出す→

ミオ:出してしまったた声を聴こうとしていない? 出た後で聞いてももう遅い。投げてしまったボールの行方を心配するようなものだ。心配してもボールの行く末は変わらない。もしかして、自分の出している声がよくないんじゃないかという思いから、聴こうとしていない? 生徒さん: ぐぬぬ、図星かも。

私が今回思った事: 今ここにクリエイトすること。それだけだ。出てしまった音はもうどうしようもないもん。今弾こうとしている音楽の事だけを考える。それこそが本番をエンジョイする秘訣だと思う。

耳は音を聴いている。でもマインドフルに聞いていないこともピアノではあると思う。指が正確に打鍵したかは、聴かなくてもわかってしまうから。でも、音楽がリードして、あくまで音のために自分がある、ということ。

これは聴かないということではなくて、出た音を自分で裁かない、ということだと思う。それは演奏中に自分を裁くことになるから。


どうしていい演奏は癒されるのか?

今回、癒されました、というフィードバックをいただいた。嬉しい!!

自分が自分の邪魔をしなければ、自分の体固まらず、鍵盤を不必要に押し付けない。
→ ピアノの弦、そして楽器本体の振動をとめないから、楽器本来の、一番いい音がでる。デリシャスな音!が出ます。(私の命名)

そういう演奏者の動きを見、また阻害されないデリシャスなピアノの音を聞いた人は、癒されるのではないか?もちろん、楽曲の力があってこそだけれど。名曲の力を信じて、あとは自分を生き生きと使うだけ、なんてね。

自分にYESを出し続けること。お客様に自分のコーディネーションが伝わる。ハッピーなコンサートってそういうものだろう。



今回、いい演奏とは、音楽とは、という命題について、パラダイムの変革につながる結論を得ました。: 

音楽は生きているもの。生命力が宿っている。だから演奏していると、それがどんどん育ってくる。 Just unstoppable. 物語のキャラクターが一人歩きしていくように、そのパワーはもう誰にも止められない。その流れにのることを恐れないで。

追伸:作曲者と作品についてトークを交えながらのコンサートでした。トークもよかった、惹きこまれた、とのご感想を戴きました!!私も楽しかったです。
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プロフィール

かおり

Author:かおり
アレクサンダーテクニーク研修生によるピアノレッスン
グランドピアノと演奏に役立つ解剖学を使ってレッスンをしています。
HP kaorikitagawa.jimdo.com
もっと上達したい、いい音を出したい、楽に弾きたい、練習しても思うように弾けないというを方を、ピアノを弾く立場からナビゲート致します。

私自身、幾度も行き詰まりながら、再びピアノを弾けるまでに復活し、念願のオーケストラとの共演も果たしました。

アレクサンダーテクニーク教師養成コース研修生として、美しい音と心と体にやさしいピアノ演奏を探求中。
Body Thinkingコーチ。

クラシックをメインに、ソロコンサートなど演奏活動をしています。

TOEIC970・日英通訳。

ジュリア・キャメロンのモーニングページ、アーティスツウェイを唱道しています。

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