指を曲げて広げられる? 側副靭帯 ピアニストのための解剖学

今日はいよいよ指本体について探究したいと思います。説明も長くなっております。

ピアノ界には指を丸める、卵を包むように、という言葉が ”かつて” ありました。が、勝手ながら、本日より、その言葉を皆さんの辞書から削除させて戴きます。(わー焚書坑儒、じゃないですよ)

ジャーン、脱たまご宣言!

ちゃんと理由があります。

結論からいうと、指のMCP関節(いわゆる水かきの関節)を曲げたまま、指を広げる(外転させる)のは、構造上無理!なのです。

そもそも、側副靭帯↓・そくふくじんたい・というもので指の骨の”側面”がつながれています♬

アシックス様HPより 横から見た指の図
側副靭帯
指には、手の甲がわと掌の側にも、筋肉の腱があります。曲げ伸ばしの時、一方が収縮すると一方が伸びるのは、イメージされやすいと思います。

この図では一番右の関節、ナックル(MCP関節)の↑靭帯が一番太くて強いことは想像がつきますよね。根元に行くほど骨が太いですから。

そして、側面のこの靭帯は、指の関節を曲げるとゴムのように引っ張られて張りを増します。要するに張られたピアノ線の様に硬くなります。

これはある意味当然です。木ににつかまる時、なにかをつかもうとする時、しっかりとホールドできるように私たちは進化したはずだからです。

このホールドのため側副靭帯が固くなっているのに、指を広げたり(外転)、速く動かせるとしたらおかしいんです。

もし指が開いて動けてしまうなら、つかんだものを離してしまい、サバイバル競争で脱落→祖先絶滅。私たちも存在していません。

この厳然たる事実が、”*MCPを屈曲して指を外転することはできない”ことを証明しています。
私たちが祖先から受け継いできた大事な指のメカニズムなのです。

と同時に、アルペジオが難しいと感じられる最大の理由は、指を開いて動かそうとするからではないか、と私は考えます。

この構造からわかることは、

*指は自然に伸びている状態が最も可動性があり、情報伝達(脳からの司令とフィードバックの双方向)もされやすくなる、ということです。

あらら、なにか脊椎と似てますね。

指を丸める(側副靭帯が硬くなる)ことは、速く動かしたり広げたりする際に助けになりません!
そうしようとする訓練はすべからく逆効果で危険なことを、側副靭帯のようにしっかと覚えておいて下さい。

ちなみに突き指は、関節が本来と違う曲がり方をしてこの靭帯を痛めてしまう怪我です。つまり靭帯に負担をかけることは緩慢な突き指と同じことなんです。ガクブルものです。

指をわざと曲げたまま開けたとしたら、それは他の筋肉が働いて必ずどこかに無理をさせているのです。
絶対にやめましょう(ー_ー)!!

くどいようですが簡単な実験です:
指の根元の関節(MCP)を曲げたまま、指を広げて(外転)みて下さい。
今度はMCP関節を伸ばして指を広げてみて下さい。

前者では広げにくい=靭帯が働いている=ことが感じられましたか?しっかり仕事をしてくれます。
後者では靭帯が働かず、スムーズに広がりましたね。

横から見て手の甲を頂点とし、指はなだらかに鍵盤に向かって行けばいいのです。

↓実際のショパンの手を型に取ったワルシャワのお土産です。欲しい!
ショパンの手
自然に伸びた指が美しいですね。これをお見せしたかったんです♬

またまたここでグッドニュース!
ショパンはラフマニノフのような特別大きな手の持ち主ではありませんでした。しかも線の細い人でした。
この手も、平均的な日本人男性と同じくらいだったそうです。

そう、そんなに大きな手でなくても、構造を知って上手に使えばとても美しい演奏ができるのです。

今日のミッション: たまごは捨ててよし!側副靭帯のメカニズムを知り自然な指で弾こう!

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プロフィール

かおり

Author:かおり
美しい音を探求するピアノボディスクール
グランドピアノと骨格標本を使った講座・レッスンをしています。
HP kaorikitagawa.jimdo.com
もっといい音を出したい、楽に弾きたい、練習しても思うように弾けないというを方を、ピアノを弾く立場からナビゲート致します。

私自身、幾度も行き詰まりながら、再びピアノを弾けるまでに復活しました。

アレクサンダーテクニーク教師養成コース研修生として、美しい音と心と体にやさしいピアノ演奏を探求中。
Body Thinkingコーチ。

クラシックをメインに、ソロコンサートなど演奏活動をしています。

TOEIC970・日英通訳。

ジュリア・キャメロンのモーニングページ、アーティスツウェイを唱道しています。

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